
「相沢三郎は何より情の人、行動の人であった。こうした相沢の人となりを綴った文集が二冊刊行されている」
「相澤中佐の片影」と「相沢中佐の遺影」が、鬼頭春樹著「実録相沢事件」に紹介されている。
鬼頭氏は「この二冊からは、部下思いで無骨な職業軍人、相沢三郎の人物像が浮かび上がる」として、遠藤美樹氏(戦死者の弟)が記した“片影”の一部を引用している。
この冊子には“其の1”から“其の22”までの「中佐の片影」が掲載されている。しかし“其の8=某氏(中佐の親友)”以下は“某氏”“某青年”“K生”“R生”“其の13=○○中尉”“○○大尉”“××大尉”“其の16=□□中尉”“△△少佐”“○中尉”“××少尉”“○○曹長”“△△中佐”“○○中佐談”と、伏字の連続になる。現在の感覚では「怪文書」のようだが、国際探訪通信社出版部から、定価金十銭で発行された出版物である。
昭和11年2月8日印刷、2月10日発行だから、伏字の理由と“二・二六事件”との関連は全くない。
(未完成)